


卒業や進学の季節がやってきました。この特別な春の日を、家族みんなでお寿司を作ってお祝いしてみませんか?私たちが大好きなお寿司には長い歴史があります。もともとは魚を長期保存するための「なれずし」という発酵食品から始まり、江戸時代には屋台で食べる「ファストフード」として握り寿司が誕生、この「寿(ことぶき)を司(つかさど)る」という当て字が「ハレの日の食事」としてお寿司を食べることにつながっていると言われています。現在では、街に多くの回転寿司のお店があり、子どもたちにも大人気です。
そんなお寿司の中でもハレの日の定番は、ちらし寿司。たくさんの具材一つひとつに「願い」が込められています。マグロやタイなどの赤色のネタは「邪気を祓う」とされ、えびは「腰が曲がるまで長生き」、れんこんは「将来の見通しが明るい」、絹さやなどの豆は「まめに働き、まめに暮らす」、錦糸卵は「財宝=金運」といったように、願いを食べ物に重ね合わせるのは、お正月にいただくお節料理と同じですね。


「一粒のお米には七人の神様がいる」という言い伝えを聞いたことがありますか?
日本に古くから伝わる、お米を大切にする教えで、七人の神様とは「水、土、風、虫、太陽、雲、作り手」の七つの自然の恵みと人の力のことです。太陽が光を与え、雲が雨をもたらし、風が稲を受粉させ、水が育み、土が栄養を与え、虫が土を豊かにし、そして作り手である農家さんが八十八の手間をかけて大切に育てる。これらすべてが揃って初めて、一粒のお米ができあがります。



春のお祝いには、華やかで家庭でも作りやすい3つのお寿司がおすすめです。まず定番の「ちらし寿司」、カラフルで大きな器に家族の幸せを詰め込んだ宝石箱のようです。「手まり寿司」は、ラップで包んで作る一口サイズのかわいいお寿司。小さなお子さんでも簡単に作れます。そして「カップ寿司」は、透明カップに酢飯と具材を層にして重ねるミニ寿司パフェ。一人分ずつ作れて取り分けも簡単、自分だけの特別な一品が完成します。いずれも作る過程を楽しみながら、春らしい彩りで、お祝いにぴったりです。


コンビニでもおなじみの「助六寿司」。いなり寿司と太巻きの組み合わせですが、なぜ「助六」という名前がついているか知っていますか?
実は、江戸時代の歌舞伎の演目『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』に登場する主人公「助六」から名前がついたのです。助六は江戸一の色男として描かれる人気キャラクターでした。
助六の恋人は吉原の花魁「揚巻(あげまき)」という名前で、「揚」を油揚げの「いなり寿司」、「巻」を海苔で巻いた「巻き寿司」になぞらえたのです。つまり、助六寿司は「助六と揚巻の恋人セット」というわけです。
歌舞伎を観劇する際の幕間に食べやすいお弁当として親しまれ、江戸の粋な文化と共に広まり、現在に続いています。



お寿司の「いのち」である酢飯を作るには、お米選びが大切です。北海道米は、ちょうどいい粘りがあってベタベタしすぎず、冷めてもおいしく、お米の自然な甘みが酢の酸味とマッチします。特に「ななつぼし」はバランスが良く初心者におすすめ、「ゆめぴりか」はもちもち食感を楽しみたい方に、「ふっくりんこ」は小さなお子さんがいる家族にぴったりです。
炊く時は水を5~10%減らして少し固めに炊くのがコツ。炊きたてごはんにすし酢を回しかけ、切るように混ぜながらうちわであおぎます。このひと手間で余分な水分が飛び、つやつやの酢飯が完成。米酢でまろやかに、りんご酢でフルーティーにと、家族の好みに合わせて調整しながら、我が家だけの「ベスト配合」を見つけるのも楽しいですね。



春のお寿司は「色」で楽しみましょう。マグロ、鯛などのお刺身はもちろん、錦糸卵の黄色、絹さやの緑、これらの定番具材に加えて、子どもたちに人気のツナマヨや照り焼きチキン、アボカドサーモンなどのアレンジ具材も取り入れて「我が家流」の手まり寿司を作ってみてはいかがでしょう。好きな具材と酢飯をラップで包むだけ。酢飯がもっとおいしくなる北海道米のブレンドやピタッと決まるすし酢の配合と混ぜ方の“極意”はリンク先のレシピで詳しくご紹介します。
完成したお寿司を囲んで、春らしい飾り付けでテーブルを演出すれば、レストランでは味わえない特別なお祝いのひと時になります。ぜひ、おウチで手まり寿司を楽しんでください!


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